盛り塩に使った後の塩はどうするべき?
「盛り塩を取り替えた後の塩はどう扱えばいいのか?」
そう聞かれると意外に答えに迷う方も多いと思います。
ここでは盛り塩を使い終わった後の処分や活用の方法について、由来や意味合いも交えながら詳しく解説していきます。
盛り塩の処分や活用の方法
処分方法に決まったルールはない
調べてみると、盛り塩を片付ける際に「必ずこうしなければならない」という厳密なルールは存在しません。
盛り塩は
- 商売繁盛や来客を願う縁起担ぎ
- 邪気を払う清めの手段
- 日常の空間を守る象徴的な意味
といった多様な目的で用いられています。
そのため、使用後の処分についても各家庭や個人の考え方に委ねられているのが実情です。
一般的な処分の仕方
使用済みの盛り塩は、庭にまいたり、水に流したり、流し台から処分したりといった方法が多く取られています。
ただし庭にまくと植物への影響を気にする方もいますし、川に流すことに抵抗を覚える人も少なくありません。
こうした背景から「自分が納得できる方法で処分すれば良い」という意見が多くみられます。
実際におすすめの処分方法
盛り塩には邪気を吸うといった象徴的な意味があるため、庭にまくよりも「ごみとして処分」または「流しで流す」といった方法の方が心理的に安心できる場合もあります。
例えば、ごみ収集日の朝に盛り塩を新しいものに替え、古いものをすぐにゴミ袋へ入れて出すと、気持ち的にもすっきりするでしょう。
盛り塩の由来と役割
由来は皇帝を引き寄せた風習から
盛り塩の起源には諸説ありますが、有力なのは古代中国での風習です。
皇帝が牛車で夜ごと女性のもとへ通っていた時代、女性は自宅の前に塩を置き、牛が塩を舐めるために足を止めるよう工夫したと伝えられています。
これが「皇帝が訪れる」「多くの客が来る」という願いにつながり、現在の商売繁盛の縁起物へと発展したとされています。
「清めの塩」との違い
葬儀や神事で使われる「清めの塩」は、海水を利用して身体を清めていた古代の習慣がもとになっています。
一方、盛り塩は本来「客寄せの縁起担ぎ」の意味合いが強く、性質が異なります。
そのため、盛り塩そのものに強い浄化や霊的な作用があると考えるのは誤解といえるでしょう。
除霊の力はない
塩には「邪気を吸収し、場を清める」という意味がありますが、霊的な存在を追い払う力までは持たないと考えられています。
盛り塩は「邪気を遠ざける」「空間を清らかに整える」ための象徴と捉える方が正しいでしょう。
御供え塩との混同に注意
「盛り塩」と「御供え塩」を混同してしまうこともあります。
神道などの伝統では御供え塩を1日や15日などの節目に交換する決まりがありますが、盛り塩は必ずしもそうしたルールに従う必要はありません。
あくまで生活習慣や心の持ち方によって扱い方が変わるのです。
まとめ:気持ちを整える盛り塩の扱い方
盛り塩を片付けるときに大切なのは、ルールよりも「自分が納得できる方法を選ぶ」ことです。
- 盛り塩の処分方法に厳密な決まりはない
- 塩は邪気を吸う象徴とされるため、処分は速やかに行うのが安心
最もシンプルな方法は、ごみ出しのタイミングで新しい塩に取り替え、古い塩はそのまま処分することです。
盛り塩は「気持ちを整えるための習慣」でもあるので、無理に複雑な作法に縛られる必要はありません。
心地よいと感じられる方法で、日々の生活に取り入れていくのが良いでしょう。